東日本大震災10年 あかし testaments
青森県立美術館 監修
発行:インスクリプト
定価:本体3,900円+税
2021年11月16日書店発売
B5変型判上製 丸背ホローバック縢綴じ 小口三方墨箔 244頁
ISBN978-4-900997-92-9
デザイン:須山悠里
青森県立美術館『東日本大震災10年 あかし testaments』
かつて生じたことで、歴史にとって、失われたと見なされるものは何ひとつない。(W・ベンヤミン)
無告の人々の生を象り、歴史の「灯=あかし=証」をかかげる作品群に、被災地と東アジア現代史が反照し、抵抗の空間が立ち上がる──。好評開催中、青森県立美術館企画展〈あかし〉(2021年10月9日〜22年1月23日)の展覧会図録。
作品収録作家──北島敬三、山城知佳子、コ・スンウク、豊島重之。
テクスト──李静和、倉石信乃、八角聡仁、高橋しげみ。
忘却へと傾く東日本大震災の記憶の風化に抗して、その記憶を喚起し、無名の人々の生を拾い上げ、記憶にとどめようとする作家達の代表作を掲載。うち捨てられ無視されているもの、弔いもされずに放置されたもの……。東日本大震災災後10年。この10年の時間の移ろいを問うことは、沖縄戦や済州島4.3蜂起に潰えた数多の無告の生を掬い取る行為に繋がり、東アジアの戦後史をも反照するものとなった。
この展覧会の全貌を、カラー168ページにわたる作品および作家論、笹岡啓子撮影によるインスタレーションビュー、巻末資料で構成し、須山悠里のブックデザインによりお届けする。
小さく目立たないもの、弱いもの、打ち捨てられて無視されているもの、一言も聞き届けられずに葬られているもの、弔いもかなわず放置されたもの、放置の過程さえ忘れ去られて歳月を重ねたもの。本展では忘却へとくずおれる記憶の欠片、その一つ一つを生きられた「あかし」として、特別な場所を取り戻そうとする企ての数々と、出会うことができるだろう。それらの作品には、そうした企てを少しずつでも貫徹する以外に、重要な〈イメージ〉の仕事などありえないという思考と決意が込められているはずだ。(倉石信乃:本書より)
[作品]
豊島重之
北島敬三
コ・スンウク
山城知佳子
[テクスト]
無題 李静和
あかし──断絶の闇を照らすもの 高橋しげみ
取り戻しに行くこと 倉石信乃
〈作家論〉
変異する声──豊島重之のほうへ 八角聡仁
北島敬三の「記録」──「UNTITLED RECORDS」と「PORTRAITS」から 高橋しげみ
不在、非在、未在と共にあろうとする者──コ・スンウク論 ユン・ヨイル
言葉、声、息──山城知佳子《バーチャル継承》(記録写真より)《あなたの声は私の喉を通った》《沈む声、紅い息》 倉石信乃
展覧会会場図
作家略歴
作品リスト
謝辞
クレジット
本文・目次中に誤りがありました。
お詫びし、以下のように訂正いたします。
●目次および本文204頁のタイトル中の作品名
《私の声はあなたの喉を通った》
↓
《あなたの声は私の喉を通った》
●作品リスト239頁左段KK2.25の地名
静岡県川根元町
↓
静岡県川根本町
Kawanemoto
↓
Kawanehon
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