ゴダール的方法
HIRAKURA Kei, GODARD’S METHOD(S)
平倉圭 著
定価:本体3,200円+税
2010年12月25日 初版第1刷
2016年2月25日 初版第2刷
A5判上製 336頁
ISBN978-4-900997-31-8
装幀:間村俊一
ハイ・レゾリューション・ゴダール!
その音‐映像を0.1秒オーダーで注視せよ。高解像度の分析によって浮かび上がる未聞のJLG的映画原理。映画史=20世紀史を一身に引き受けようとするゴダールは、映画に何を賭しているのか? そして21世紀のゴダールはどこへ向かうのか? 映画論の「方法」を更新する新鋭の初単著。ゴダールとともに、知覚経験の臨界へ!
第2回表象文化論学会賞受賞
ゴダールの映画にもまた、そのような「新たなる視聴」の誕生を促す高解像度のスタイルがあると言うことができるだろう。本書はいわば映画の「新しい観客」としてふるまい、ゴダールの映画をデジタル編集台で操作・変形することで分析の解像度を更新しようとしている。私たちは編集台に接続し、高解像度ゴダールの経験に突入する。そして他人の映画をヴィデオテープやDVD、あるいはネット動画から引用して再編集してしまうゴダールの映画のなかには、私たちがそのような「新しい観客」としてふるまうことを押しとどめるいかなるものも存在しない。(序章より)
序章 新たなる視聴
1 思考 2 方法 3 来歴
第1章 結合
1 正しさ 2 〈と〉と失語 3 実例教育
第2章 問いと非応答
1 ミキシング 2 非応答 3 問い=拷問
第3章 見逃し、聴き逃し
1 複数の顔 2 複数の視‐聴 3 こことよそ
第4章 類似
1 ディゾルヴ 2 ダイアグラム 3 分身
第5章 受苦と目撃
1 記憶喪失 2 受苦 3 目撃
再圧縮
あとがき/英文梗概/フィルモグラフィー/索引
平倉圭(ひらくらけい)
1977年生。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。専門は芸術論、知覚論。美術家としても活動をおこなう。現在、横浜国立大学大学院都市イノベーション研究室准教授。共著に『美術史の7つの顔』(小林康夫編、未來社、2005年)、『ディスポジション――配置としての世界』(柳澤田実編、現代企画室、2008年)、『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(西村智弘、金子遊編、森話社、2016年)。論文に「識別不可能性の〈大地〉――ジル・ドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』」(『思想』999号、2007年)、「多重周期構造――セザンヌのクラスター・ストローク」(『ユリイカ』2012年4月号)、「『さらば言語よ』についての4つのノート」(『ユリイカ』2015年1月号)ほか。[略歴は2016年時点]
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