石橋正孝氏が、ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクションII『地球から月へ 月を回って 上も下もなく』の翻訳によって、第23回日仏翻訳文学賞(公益財団法人 小西国際交流財団主催)を受賞されました。昨年の第61回「群像新人評論賞」受賞に次ぐ快挙です。

〈受賞理由〉
訳者は日仏のヴェルヌ研究を牽引する専門家であり、同時に文芸評論家としても将来を属目される存在である。二段組六百ページを超える大冊だが、訳文はじつに読みやすく躍動感に溢れ、ヴェルヌの物語を読む愉しさを存分に味わわせてくれる。原文の精密な読解にもとづく素晴らしい訳業であり、そこには研究と翻訳の幸福な一致が見られる。
ヴェルヌの世界を熟知したうえで練り上げられた堂々たる訳文は実に魅力的で、この作家の巨大さと面白さを改めて教えてくれる訳業である。